【浪人 東大文系 予備校】駿台御茶ノ水 ・ 河合塾本郷 各コース・クラスの解説と比較!
無事東大に合格し、自分の受験生活が終わりました。
自分の受験生活(特に浪人時)を適宜振り返りながら、後世の受験生に有益な情報を残そうかと思います。
大学受験に関する情報は、実際に体験しないと真偽がわからないグレーなものがやはり多いですから。
第一志望が不合格になり浪人が決まるとたいてい茫然自失になってしまいますが、それでも前に進んで、
宅浪するのではない限りまず最初に、通う予備校を決めなければいけません。
この予備校ですが、情報が少なく、先輩などに聞くのでもない限り、詳しいことはあまりわかりません。
なので、今回は予備校について書こうと思います。
実際に東大に入った後に友達から聞いたこととかも含めた、パンフレットや説明会だけではわからないリアルな情報もお伝えできたらと思います。
東大受験における2大予備校
駿台予備学校 御茶ノ水3号館
と
河合塾 本郷校
を比較したものは少ないと思うので、役に立てれば光栄です。
また、浪人生が迷いがちな、そもそもの予備校選びのポイントについても解説したいと思います。
一応ディスクレーマーとして言っておきますと、僕は両方とも通ったわけではなく、河合本郷出身の人間なのでそこは割り引いて聞いてください。
ただ、予備校選択時点で駿台御茶ノ水についてはかなり調べ、その上、駿台御茶ノ水出身の友人が多く、僕自身も駿台御茶ノ水に夏季講習や冬期講習を何回か受けに行ったことがあるのでそんなに間違っていることはないかと思います。
加えて、受験・入学したのが2019年なので、多少コース編成やクラスの名称などが当時と変わっている可能性はあるので、そこはパンフレットなど予備校公式の情報と照らし合わせてもらえれば幸いです。
目次
・各コースについて
・駿台予備学校 御茶ノ水校3号館
・スーパー東大文系コース(LA,LB)
・スーパー東大文系演習コース(LX,LY)
・補足
・河合塾 本郷校
・東大文類コース
・東大文類演習プラスコース
・東大文類演習アドバンスコース
・補足
・駿台御茶ノ水と河合本郷の比較
・予備校選びのポイント
駿台予備学校 御茶ノ水校3号館
御茶ノ水校3号館は駿台の東大専門校舎です。
各コースについて説明します。
スーパー東大文系コース(LA,LB)
東大文系志望向けのスタンダードなコースです。
基本的には、講義形式で基礎から学習していくスタイルです。
プレースメントテスト、模試の成績でクラスがLAとLBに分けられます。
僕の知り合いではLA出身の人は多く、スーパー東大文系演習コースよりもレベルは低いと思われがちですが、スーパー東大文系演習コースが最上位レベルなだけでLAも合格してる人は多いです。
もちろん最初のテストでLBだったからといってダメというわけではなく、もちろんそこからちゃんと東大に行く人は一定数います。
イメージとしては、前期(9月中旬ぐらいまで)基礎的な部分を固め直し、後期から演習をこなしたい人におすすめのコースです。
スーパー東大文系演習コース(LX,LY)
演習系の授業が多く組み込まれたコースです。
認定基準は一番高く、東大受験生の中でも上位層向けのコースと言えるでしょう。
こちらもLXとLYにクラスが分かれます。
ここのLXクラスは東大模試の順位トップ層がゴロゴロいて、合格率も各予備校の中でも一番良いと言われています。
LYも実績は良く、スーパー東大文系演習コースは全体的にレベルが高いです。
点数開示での不合格者ランクがA~Bぐらいの人で、かつ、基礎的な部分には自信があり、最初から演習をこなしていきたいという人におすすめのコースです。
補足
合格率は上から並べると
LX>LY≧LA>LB
という感じだったかと思います。
飽くまで合格率の話です。
後ほども改めて述べる予定ですが、合格率の高い難しいコース・クラスに入ったからといって自分が合格できるわけではないので、自分に何が足りないかを分析した上で決めることが必要です。
河合塾 本郷校
河合塾の東大専門校舎です。
各コースについて説明します。
東大文類コース(TL)
何もオプション等がついていない一番プレーンなコースです。
認定基準は一番低く、クラスもTLのみです。
しかしオプションが無い分、土曜日に授業が入らないので時間を自由に使いたい人にはおすすめできます。
とはいえ、やはり上位層は文類演習アドバンスコースとかに行く傾向があったように思いますので注意は必要です。
東大文類演習プラスコース(UZ,UL)
東大文類コースと同様に月〜金まで通常の講義があるのに加え、
月〜金のどこかに英語のプラスゼミが1コマと、
土曜に数学のプラスゼミが2コマ(午前中)入ります。
プラスゼミは何なのかというと演習の授業です。
英語のプラスゼミは東大形式の設問を解いて添削を受けるもので、
数学のプラスゼミは、
前期は講師と大学生の助手にいつでも質問できる環境下で、ドリル形式でどんどん問題を解いていき、
後期になるとそれに加え3週間に1回、4問100分の東大形式の演習が入るものです。
土曜午前の数学のプラスゼミでは、大学生の助手として河合本郷出身の東大生が毎回各クラス2人ずつぐらい来てくれます。
プラスゼミ内で質問に答えてくれるだけでなく、授業後に勉強法や受験生活の相談にも、かつて同じ浪人生だった者として受けてくれるのでとても有用な存在であると言えます。
サクセスクリニックによってクラスがULとUZに分かれます。
土曜午前のプラスゼミの演習で前期から数学を鍛えたい人におすすめです。
プラスゼミで出る問題は易しい問題から難しい問題へと並んでいますし、先生や助手にいつでも質問できる環境なので数学が苦手な人におすすめであると言えます。
東大文類アドバンスコース(LM,LU,LZ)
東大文類コースに加え、土曜午前に隔週で2コマ分アドバンスゼミというものが付きます。
アドバンスゼミは、東大形式の英語の問題を解いて、解説を受けるものです。
クラスは上からLM、LU、LZに分かれています。
授業形態としては英語を伸ばしたい人向けとはなっていますが、実態としてはここが河合本郷で一番レベルが高いみたいな扱いなので、特に英語苦手とかと関係なくここを選ぶ人が多いです。
なので、数学が苦手でプラスゼミ使いたいとかの特別な事情が無ければ、河合本郷ではここがおすすめです。
僕の体感では、東大入った後に出会った浪人経験者は、圧倒的に河合本郷の東大文類アドバンスコース出身の人が多いです。
(あくまで体感ですし、他予備校や他コースと比べてもクラスが3つあるなど人数が多いことも作用しています)
補足
合格率は上から並べると
LM>LU≧UZ≒LZ>UL=TL
という感じだったかと思います。
飽くまで合格率の話です。
後ほども改めて述べる予定ですが、合格率の高い難しいコース・クラスに入ったからといって自分が合格できるわけではないので、自分に何が足りないかを分析した上で決めることが必要です。
駿台御茶ノ水と河合本郷の比較
各コースについてざっと知ったところで、自分にピッタリだ!と思うようなコースが特になければ、決めるにあたってまずどちらの予備校に通いたいかということを決める必要があると思います。
そこで、そもそもの予備校全体について比較したいと思います。
予備校全体について、僕が重要だと思うポイントは
・校舎設備
・講師陣
・自習室環境
・質問・添削環境
・授業時間
・校舎周辺の環境
なので、各項目について比較していきたいと思います。
校舎設備
校舎設備は講師陣などと比べて見落とされがちな項目ですが、やはり1年間ほぼ毎日通うことになる校舎なので校舎の設備、特に綺麗さの面はとても重要です。
特に、毎日使うことになる椅子の座り心地やトイレの清潔さは重要です。
僕の時は駿台御茶ノ水が改装される前で、河合本郷の方が全体的に新しく設備が良かったです。建物もガラス張りですし。
特に、椅子は河合塾の方がクッションがあって座り心地が良いのは有名な話でしたし、トイレも河合本郷の方がピカピカでした。
気持ちが暗くなりがちな浪人時代に、毎日過ごす校舎は明るく清潔なところに通いたかったので、校舎設備は僕が河合塾に決める大きな決め手の一つになりました。
現在は駿台御茶ノ水が改装され、随分良くなっていると聞きます。
説明会などを聞きに行く際に、校舎の設備もぜひチェックしておきましょう。
講師陣
講師陣については、駿台の方が河合塾よりも有名な講師が多いように思います。
英語の大島先生や数学の雲先生などは、東大受験生であれば一度は名前を聞いたことがある人はそれなりにいるでしょう。
「この先生に習いたいから」という理由で予備校を決める人も多いですし、もしそういう先生がいればその先生の授業が聞けるようその予備校にした方がモチベーションも上がりますし、学習に力が入るでしょう。
僕も、河合本郷に通っていましたが、他の予備校の有名な講師の授業を聞いてみたくてわざわざ駿台の夏季講習などを受けに行ったことがあります。
ただし、注意が必要なこともあります。
一つは、その講師の所属予備校にしたところで、所属するコースやクラスによって担当講師が異なるので事前に調べておきましょう。
有名講師と呼ばれる講師は上位クラスを担当することが多いです。
また、有名だからといってそれが合格に結び付くかは違う問題ですので、そこも気を付けましょう。
そこまで有名でなくても、授業がわかりやすく、授業後に親身に質問に対応してくれる講師は結構います。
各予備校は入学受け付け期間やその前の3~4月の期間に体験授業とかを開催しているので、ぜひそこに行って確かめましょう。
自習室環境
自習室をよく使う人にとっては、自習室の環境も重要な要素です。
僕は、平日も休日も閉館まで自習室を利用して勉強するタイプの生徒だったので特に重要視しました。
結局のところ、自分の実力が一番伸びるのは授業中ではなく、自分で復習して自分のものにするときですし。
河合本郷には、通称「地下牢」と呼ばれていた広い地下自習室があり、そこは出入口に門番がいて昼食時間以外は20分以上の離席が許されず、
さらに地下1階にあるのでスマホの電波が届かない場所でした。
スマホとかに集中力が奪われがちだった僕にとって地下自習室は邪魔されずに勉強できる魅力的な空間だったので、それが河合本郷への決め手の一つでした。
現在は駿台御茶ノ水も改装を経て自習室の環境もは僕のときとは変わっているかと思います。
他にもいろいろな自習室の形態はあり、割とザワザワしたところの方が集中できる人や、開放教室の方が好きな人などいろいろな人がいると思うので、
自分に合いそうな自習室があるか調べてみましょう。
質問・添削環境
特に記述問題が中心の東大受験生にとって、重要なのが質問や添削を気軽にしてもらえる環境です。
駿台御茶ノ水でも河合本郷でも講師にお願いすれば質問に答えてもらったり、解答を添削してもらえる制度はあります。
また、講師の方と個人的な関係性が築ければ制度を使わなくてもお願いできる場合もあるでしょう。
特筆すべきものとしては、河合本郷のフェロー制度というものがあります。
フェローと呼ばれる教員(多くが他校の講師や大学院の研究者)が授業後に来校(各教科週2回ぐらい、英語は毎日)し、添削指導や質問対応をお願いすることができるというものです。
僕自身がフェロー制度をほぼ全科目利用し、フェローの先生方にとてもお世話になったのでやや持ち上げている部分はありますが、良い制度でした。
僕の場合は、前期は授業や問題集のわからないところを質問し、後期になって過去問を進めるようになってからはその添削をメインにお願いしていました。
自分で解答を見てやろうとするよりも、フェローの先生に採点と添削をしてもらった方がより高度な視点から客観的に見てもらえ、大変お世話になりました。
フェローの先生に添削を提出する、ということ自体が学習のモチベーションやペースメーカーにもなっていました。
過去問をみんなやりはじめるようになってから混みはじめますが、前期は空いてるので早めから使うことがおすすめです。
この項目はなんだか一方的な河合本郷のフェロー制度ポジティブキャンペーンになってしまいすいません。
授業時間
授業時間は気にする人が一定数いる項目です。
一般的に河合塾の方が駿台よりも1コマあたりの授業時間が長いです。
河合塾で105分授業に慣れておいた方が入学後も東大の105分講義に対応できるという論は浪人時代何度か聞きましたが、
実際東大でも105分ずっと集中できている人はそんなにいないので、
授業時間の長さを気にする人がいれば短めの駿台にするというのもアリでしょう。
ただ、授業時間は他の項目と比べてやや瑣末なところではあります。
校舎周辺の環境
一年間過ごす場所なので、校舎の設備と同様に、校舎周辺の環境も重要です。
コンビニの近さや息抜きできるような場所、飲食店とかですね。
コンビニと近さは、駿台御茶ノ水と河合本郷でそんなに変わらないとは思いますが、河合本郷の方がややコンビニまで遠かった気がします。
息抜きの場所は、駿台御茶ノ水は御茶ノ水にいろいろな場所がある他、神保町にも歩いて行けるので、そこらへんに行く人が多かった気がします。
河合本郷は東京ドームシティが近かったので、そこらへんに行く人が多かった気がします。特にバッティングセンターは人気でした。
個人的にはそんなにガッツリ遊ぶことはあんまり無く、勉強の合間の息抜きは地下自習室から上がってきて散歩する、みたいなことが多かったので、
街並みが気に入るかもポイントな気がします。
最後に飲食店。
これは圧倒的に駿台御茶ノ水の方が恵まれています。
御茶ノ水・神保町あたりはおいしい店がたくさんあって、ラーメンやカレーの名店も多いので、正直、そこは駿台御茶ノ水に通ってた友達が羨ましかったです。
河合本郷も探せばおいしいところは結構あるのですが、近場で安いところはそんなに多くなかったので僕は向いにある中央大の学食に行くことが多かったです。
ということで、駿台御茶ノ水と河合本郷について経験をもとに比較しました。
参考になれば幸いです。
もし質問とかあれば、コメントしてもらえれば、できる範囲で力になりたいとは思っています。